松山英樹(23=LEXUS)が14年6月以来となる米ツアー2勝目を挙げた。最終18番で劇的なバーディーパットを沈めて4バーディー、ノーボギーの67で回り、通算14アンダー、270でホールアウト。一時は自信を失いかけたパッティングで粘ってリッキー・ファウラー(27=米国)とのプレーオフに持ち込むと、4ホールに及ぶ死闘の末に競り勝った。

 松山が所属した東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督(53)も、教え子の勝ちっぷりに「大したものだ」と手放しで喜んだ。「気持ちの切り替えができる強さが、他の選手と違う」と話す。プロ転向2戦目の13年4月つるやオープンで優勝した夜、次週の中日クラウンズのために名古屋に移動し、ビールで祝杯。「喜ぶのは今日だけ。明日からは次の試合の準備」と教えたという。そこから2位、2位、優勝と続いた。

 前週は、第1日に8位と好発進しながら予選落ち。ショックだったはずだが、いい時も悪い時も、必要以上に引きずらないからこそ、今回の堂々としたプレーにつながった。「もう明日には次の試合のことを考えているのでは? 2勝目といっても、彼にとってはまだ通過点だから」と、同監督は笑っていた。