岡山・京山中3年のアマチュア三田真弘(14=神有CC)が首位と1打差2位スタートを切った。全出場選手中の最多タイの7バーディー、3ボギーの4アンダー67。3歳から完全独学で培った内股の独特なアドレスで、ツアー出場3戦目にして初のアンダーパー。今日20日に予選通過すれば「14歳51日」でツアー史上2番目の年少記録。石川遼のツアー最年少優勝記録「15歳245日」更新も狙える滑り出しだ。

 三田が逆境をチャンスに変えた。前半16番パー5。第1打をフェアウエー左バンカーに入れた。刻みを狙った9番アイアンの第2打はアゴに当たり、フェアウエーに出ただけ。ところが、見せ場はそこからだ。ピンまで240ヤードの第3打は3番ウッド。糸を引くような弾道でピン奥2メートルにつけ、バーディーを奪った。17番もフェアウエーから9番アイアンで140ヤード先のピン根元、50センチにつけるスーパーショットで連続バーディーだ。

 「ボギーを3つ打ちましたけど、バーディーをたくさん取れたんで」。片岡、室田と並ぶこの日最多の7バーディー。無邪気な笑顔と裏腹に、14歳と思えぬ快打を連発した。

 両足つま先が「ハ」の字を作る超内股のスタンス。フィニッシュでは左足先が滑り、スクエアに近くなる。個性的なアドレスは完全に我流で作り上げた。3歳の時、父謙二さん(47)に連れられ初めて練習場に行った。黙々打つと球数は800を超えた。料金は4500円。翌日も「お父さん、ゴルフ」とせがみ、練習場へ。謙二さんは「こりゃあお金が続かん…」と困ったが、ジュニア会員になれば、300円で打ち放題だと知り、即入会。今は400円を払い、連日300~400球を打つ。

 三田は「どうやったらうまく打てるか。考えて続けるうちに今のスタイルになりました」。謙二さん自身は「回ったら…130か140」と苦笑いする腕前だから教えられない。コーチにつかず、この日はキャディーこそ謙二さんに任せたが、距離計算、風の読み、クラブ選択、ライン読み…全部、自分でする。ドロー、フェードも打ち分ける。

 ツアー3戦目の正直だ。「最初はただただプロに圧倒された。2回目は予選通過を狙ったけど、ダメでした。今回はとにかく下を向かず、堂々と一番前を歩くように心掛けています」。自身初のツアー競技アンダーパーはマークした。次はツアー史上2番目の予選通過へ。そして石川遼の記録を大幅に更新するツアー最年少Vも…。「そんな…。目標は予選通過です」。最後は14歳らしく、はにかんだ。【加藤裕一】

<最年少メモ>

 男子ツアー

 ▼出場 12歳99日=伊藤涼太(02年東海クラシック)

 ▼予選通過 14歳21日=伊藤誠道(09年KBCオーガスタ)

 ▼優勝 15歳245日=石川遼(07年マンシングウェアKSB杯)

 女子ツアー

 ▼出場 11歳347日=金田久美子(01年ゴルフ5レディース)

 ▼予選通過 12歳270日=松原由美(11年大王製紙エリエール)

 ▼優勝 15歳293日=勝みなみ(14年KKT杯バンテリンレディース)