プロ3年目の永峰咲希(21=ニトリ)が67で回り、通算9アンダー135で自身初の首位に立った。前週まで2週連続予選落ちも、父賢一さん(49)らの助言から無欲のプレーに徹し、好スコアにつながった。昨季6位になって自信をつかんだ本大会で、初の最終日最終組に。

 永峰は「気がついたらバーディーが5個きていた、って感じです」とあっけらかんと話した。「無理しない、ストレスのない、いいゴルフ」とも。バーディーパットは「入れたいけど入らなくても仕方ない、と平常心で」打っていたという。無欲さが落ち着いたプレーにつながった。

 今大会前は2週連続予選落ちで落ち込んでいた。そんな中、父から「まだ先は長い。チャレンジャー精神を忘れているのでは」と言われた。「普段は半分くらいは流して聞いてる」父の言葉が、今回は響いた。「上にいきたいと、無謀なショットや、欲が前に出すぎていた」と気づいた。

 思い出の大会でもある。昨年6位になり「ターニングポイントだった。シード権を取りたい、と自分から言えるようになった」と振り返る。「集中していたんでしょう」。1年後もコースの隅々までよく覚えており、コース攻略のイメージがすぐに浮かぶ。6番パー5では残り260ヤードの第2打で6番アイアンを握り、58度のウエッジでフルショットできる残り75ヤードに運んで、ピン3メートルにつけてバーディー。今週からアイアンのシャフトを重くし、しっかり振り切れるようになったのも心強い。

 2勝の酒井、1勝の鈴木との最終日最終組に「胸を借りるつもりで」と、欲を封じ込めるように言った。【岡田美奈】