池田勇太(30=日清食品)はよろつきながら、クラブハウスに上がってきた。スコア提出後、報道陣に囲まれると「…すみません。よりかかっていいですか?」と半笑いで断り、壁によりかかると「今? ははは、うれしいですよ」と力ない声で話し始めた。

 前日22日まで和歌山・橋本CCで関西オープンに出場。高低差の激しいコースで4日間戦った。「明日は今週休んだ選手の方が絶対有利です」とこぼしていた。一方で不出場組に負けたくない思いも「最初は…ありましたかね」。

 練習ラウンドなしのぶっつけ本番だった。しかも1日2ラウンドの長丁場。それでも、64、68の快スコアをたたき出した。調子の良さは「最初はあった。でも、体がついてこなくて…」。2ラウンド目の前半9番パー5で第1打がOBに。「あそこはほんと、ひざが笑ってた。『ひざが笑うって、こうだったな』と思い出しました」と苦笑いを浮かべた。

 疲労困憊(こんぱい)を押して、10年大会以来の全米オープン出場権をもぎ取った。通算10アンダーで1位通過を決めた。「ウチの連中をまた連れて行けるのは、うれしいですね」と親分肌の男らしく喜ぶ。26日からは全英オープン予選も兼ねたミズノオープンがスタート。今年2つ目のメジャー切符を狙う戦いに挑む。