昨季賞金女王イ・ボミ(27=延田グループ)が4バーディー、ノーボギーの68をマークし、通算7アンダーで首位と2打差4位につけた。重圧に打ち勝つため、偉人の名言集を購入。今日29日の最終日、ツアータイ記録の開幕から出場8戦連続トップ10を今季2勝目で決めるつもりだ。

 最終日を前に、イ・ボミが“定位置”にやってきた。「ちょっとショットがよくなってきました」と笑った。ボギーをたたかず、4バーディーを奪い、首位と2打差。これで開幕から出場8戦全部、最終日を首位と5打差以内で迎える。

 前週の中京テレビ・ブリヂストンは休み、韓国で過ごした。本を4冊買った。全部、偉人の名言集。「私は今まで『自分がそうなると思ったら(何でも)できる』と思ってました。だから、あまり本は読みませんでした。でも、今年は気持ちばかり先走ってしまって…」と、慣れない読書に救いを求めた。

 心に響いた言葉は「厳しさ、怖さには立ち向かっていかないとダメ」。この日は「苦手」という9番パー5で生きた。右はOB、左はバンカーが待つ第1打でフェアウエーをキープ、パーとした。

 熊本地震後、毎週土曜日に試合会場で行うチャリティー募金。プロ全員が交代で約5分間、募金箱の前に立つ。イ・ボミが握手を交わしたギャラリー数110人は、断トツの多さだ。「明日も一生懸命、不安を持たず、ショットを打っていきたい」。ツアータイ記録となる開幕から出場8戦連続トップ10へ。実力、人気ともツアーNO・1の今、逆転Vで快挙達成を狙う。【加藤裕一】

 ◆開幕からの出場試合連続トップ10 ツアー制施行後、8試合が最長。88年の大迫たつ子、91年の■阿玉、09年の横峯さくらの3人がマークしている。

※■はサンズイに余