姜秀衍(カン・スーヨン、40=韓国)が3年ぶりの日本ツアー2勝目を挙げた。この日は73と粘り、通算11アンダー277。スタート前の3打差の貯金を生かし、1打差で逃げ切った。日米韓アジアの4ツアー通算17勝目は四十路(よそじ)の初V。35歳以上の女子プロによる有志団体「おババ会」からの優勝者は、今季14戦で早くも5人目となった。

 不惑のパーパットだった。外せばプレーオフの2・5メートルを、姜は強いタッチでねじ込んだ。跳び上がって喜び、泣いた。「まだ優勝できるのか、と思うこともあったので…」。5月29日に、韓国で追突事故に遭った。痛みで眠れぬ日々が続いた。40代初優勝。最終日にバーディーがない優勝は、日米韓アジアの4ツアー通算17勝目で初めてだった。

 表純子(42)らを中心に活動しているツアーの有志団体「おババ会」に、韓国人の自分も勧誘され、昨年には神戸で会食に参加した。「韓国では私より年上の選手はもういません。純子さんは(189試合連続出場の)ツアー記録も更新しているし、頑張ろうと思う」。

 おババ会会員では今季、李知姫、大山、福嶋浩、表に続く5人目の優勝。「泣いたのは年のせいですかね」と笑うベテランは「シードがなくなるまで頑張ります」と力強かった。【加藤裕一】

 ◆姜秀衍(カン・スーヨン)1976年3月15日、韓国ソウル生まれ。慶煕大卒。世界アマ優勝の翌年97年にプロ転向。韓国で00年韓国女子オープンなど11勝。米国では05年セーフウエークラシック優勝。日本ツアーには11年から参戦、13年スタンレーレディースで初優勝。昨季賞金ランク34位。173センチ、55キロ。

 ◆おババ会 世代交代の波に立ち向かうべく、表純子、藤野オリエらを中心に12年6月に発足した有志団体。入会資格は「35歳以上」。活動は不定期に食事会を開くぐらいで厳しい規約はない。会員は大山志保、福嶋浩子、表ら今季優勝者のほかにも不動裕理、茂木宏美がいる。“国際会員”は李知姫と姜秀衍。