葭葉ルミ(23=富士住建)は「うれしいですね。狙ってはいたけど、まさか本当に優勝できるとは…」と、プロ5年目のツアー初優勝に声を弾ませた。

 終盤まで通算6、7アンダーに10人以上がひしめいた大混戦。首位と1打差4位から出た葭葉はスタート1番で5メートルのチャンスを決めてバーディー先行。堅実にパーを重ねながら、11番で2個目のバーディー。終盤17番で4メートルを沈める3個目のバーディーで頭一つ抜け出し、右手を握り締めた。

 ちょうど1年前のサマンサタバサレディースで最終日を首位と1打差で迎えながら、上位陣でただ1人75と崩れ、9位に終わった。「すごく落ち込んだし、自信もなくしました。でも、2日目には66を出していた。やってきたことに間違いはないと信じることもできました」

 今季は3月の開幕2戦目プロギアレディース第2日に右足首を骨折。その後6試合を棒に振ったが、大きな落ち込みはなかった。2週前のアース・モンダミンカップは66で首位発進したものの、徐々に後退して27位。「あの66がなければ、優勝はなかったと思います。最終日に73を打ったことも優勝につながった。いい面悪い面の両方がはっきり出た。1年前に感じたことが間違いないと確信できた」とひそかな手応えをもって、今大会に臨んでいた。

 「今朝起きた時に『落ち着いてるな』と感じたんです。いつも通りの準備をきっちりできた。それと朝、コンビニに寄った時、700円以上買えば引けるくじを3回引いて、全部当たって。一瞬『運使っちゃったかな』と思ったけど『いやいやついてるんだ』と思い直しました」

 1年前の反省を生かしての初優勝に、笑顔が絶えなかった。