今季日本ツアー2戦目の石川遼(24=CASIO)が首位タイ発進した。1イーグル、5バーディー、1ボギーの6アンダー66。1カ月半前の日本プロ選手権出場時よりアイアンショットが復調し、本来の攻めるゴルフが戻ってきて、昨年の日本シリーズ以来の通算14勝目も狙える。2月以来の米ツアー復帰に向けても、大きなステップになりそうだ。太田直己(37)らも66で、石川を含め8人が首位に並んだ。

 石川は好スコアの要因に「アイアンとウエッジの距離感」を挙げた。イン10番スタートで、12番パー3はピンそば3メートルにつけバーディー先行。7番アイアンで「タイミングが合って、いいスイングで距離感も合った」。手応えを得て、攻めのモードが上がった。

 18番パー5では左ラフから残り210ヤードの第2打も7番アイアン。フライヤーやグリーンの硬さも計算した上で、グリーン手前に落として転がし上げ、ピン奥3メートルへ。「カップ2つ分のフック。いい感じでイメージできた」とイーグルパットを流し込み、拳を握った。直前の17番、続く1番と合わせて、3ホールで4つスコアを伸ばした。

 14ホール中フェアウエーキープは2ホールだけ、外した12ホールで1イーグル、4バーディー(1ボギー)だ。大会前に話した「フェアウエーにこだわるより、ラフからいかに乗せるか」を具現化。2番は右林に打ち込むトラブル。「真横に出してもフェアウエーに行くとは限らないし、170ヤードの距離が残る」。木の間にできた直径約70センチの空間のど真ん中を射抜いてグリーン前へ運び、パーセーブした。

 自分の「攻めの型」(石川)を貫いて「それは米国でもできなきゃいけない」。10月を照準とする米ツアー復帰を意識してのプレーだった。コーチでもある父勝美さん(59)は23日の練習ラウンド後、今大会からの日本ツアー3戦で「トップ10を2回」と、米ツアー復帰への目安を話していた。それがトップ10どころか、優勝も狙える位置だ。

 石川は前日に「68ならいいスコア」としながら、66を出した後で「あと2つ伸ばしたかった」。手応えが大きくなった証しだ。「(10年中日クラウンズ最終日)58で回っても『あと1打行けた』と思っちゃうんで」と笑い、貪欲さは隠さなかった。【岡田美奈】