アマチュアの清水大成(17=東福岡高3年)が通算8アンダー136で、首位に2打差の4位に浮上した。4打差40位から出て6バーディー、ノーボギーで、この日のベストスコア66をマーク。7月にブレークした時松隆光(22)と「同門」で、時松と同じベースボールグリップから290ヤードドライブを放つ。通算10アンダーで単独首位に立った石川遼(24)らとの優勝争いで、「台風の目」になる可能性も期待できる。

 女子だけじゃない。男子でも元気なジュニア選手が上位に絡んできた。清水は2番で8メートルのバーディーパット、4番で4メートルのパーパットを沈めるなど「パターがよかった」と好スコアの要因を挙げた。一方で「最近飛距離が落ちて290ヤードくらい」というドライバーショットを武器に、13番パー5では残り240ヤードから2番アイアンで2オンさせてバーディーを奪った。

 7月に福島オープンや優勝賞金1億円のネスレ日本マッチプレーを制した「時の人」時松と同じ篠塚武久氏に師事。同氏の指導でショットはすべてベースボールグリップだ。今月上旬に首を痛めて不振に陥り、先週の日本ジュニアは80位。その後、篠塚氏にチェックを受け「力が入りすぎ。少し力を抜け」などと助言されると、21日には大博多CCで自己ベストの64を出して、「そこから自信がつきました」と、本大会に乗り込んできた。

 サッカーやラグビーなどで有名な東福岡高だが、ゴルフ部はない。勉学との両立は大変だが、「1人で練習する方が集中できる」。卒業後は日大進学を目指している。彫りの深い顔立ちで、ラグビー日本代表WTB山田章仁に似てるといわれるという。

 時松のことは「目標であり、あこがれです」。同時に将来は「石川さんや松山さんのようにアメリカで活躍したい」。10年には石川遼カップジュニア九州大会で優勝した縁もある。石川との第3日直接対決はならなかったが、優勝争いに加わるチャンスは十分。石川のような「アマでのツアーV」の夢も広がる。【岡田美奈】

 ◆清水大成(しみず・たいせい)1999年(平11)1月17日、福岡県生まれ。9歳の時に元シングルの父稔大(としひろ)さんに勧められゴルフを始める。その後篠塚氏に師事。攻めるプレースタイルからタイガー・ウッズが好き。10年小学生トーナメント九州大会優勝、15年九州オープン2位、日本ジュニア5位。今回は15年日本オープン(予選落ち)に続くツアー2戦目。得意クラブはウエッジで攻撃ゴルフも「ボギーを打たない」が持ち味。174センチ、70キロ。