ゴルフの日本女子オープン(29日開幕、栃木・烏山城CC)で梶谷翼(13=岡山・山陽女子中1年)がダブルの快挙を狙う。27日、会場で練習後に目標を聞かれ「取りあえずは予選通過です」。そばにいた母真意さん(39)から「『取りあえず』はいらないでしょ」とツッコミが入ると「予選通過です」と笑顔で言い直した。出場時点で13歳17日は大会史上最年少。予選突破なら13年ワールドレディースサロンパス杯の松原由美(14歳77日)を上回る国内メジャー最年少となる。

 小学生の時にはドライバーで240ヤードを飛ばし、天才キッズとしてテレビ番組でビートたけしと共演したこともある。7月の世界ジュニア11-12歳女子の部で連覇を達成。特に今年は弟駿くん(9)も7-8歳男子の部で優勝し、日本選手初の姉弟世界一に輝いた。

 「賞金女王になりたい」。大きな夢を家族も後押しする。今大会は父教義さん(41)が運転するハイエースで岡山・総社市の自宅から12時間かけて栃木へ。節約のため気候が穏やかな時期はいつも4人そろって車中泊だというが、今回はシングル1部屋を予約して梶谷だけが泊まっている。

 写真が苦手で「大会で優勝しても笑った写真がない」(教義さん)という素朴な少女。日本最高峰の舞台で腕試しだ。【亀山泰宏】

 ◆梶谷翼(かじたに・つばさ)2003年(平15)9月12日、岡山市生まれ。両親の影響で7歳からゴルフを始める。今季は予選会を通過して5月のサイバーエージェント・レディースに出場。通算6オーバーの63位で予選落ちだった。今大会は6月の日本女子アマで6位の資格で最終予選に出場し、切符をつかんだ。目標の選手はイ・ボミ(韓国)。得意クラブは「ないです」。158センチ。

 ◆日本女子オープン 1968年(昭43)12月に「TBS女子オープン」として創設。第1回大会の優勝は樋口久子。日本女子ゴルフの頂点を決める大会と位置付けられ、同年に始まったプロ選手のみの「日本女子プロ選手権」と合わせて2冠が最も権威のあるタイトルとされる。ワールドレディースサロンパス杯、ツアー選手権リコー杯を含めた4試合が国内メジャー。女子オープン最多優勝は樋口の8回。現在の最年少出場記録は02年金田久美子の13歳50日。最年少優勝は05年宮里藍の20歳3カ月。昨年大会優勝は田仁智(韓国)。