アマチュアの長野未祈(みのり、15=千葉・麗沢高1年)が4バーディー、3ボギーの70で回り、通算5アンダーの208で単独首位に立った。

 緊張はあった。夜は1番のティーショットからホールアウトまでの1打1打をイメージして寝るのがルーティン。前日は緊張で眠れず「2ラウンドくらいしました(笑い)」。朝のドライビングレンジではキャディーも務める父勝さん(49)に左足の膝を押さえてもらいながら練習。普段指導を受ける韓国人コーチ、ボン・ミョンジン氏からの伝言があった。「コーチから球が散る時は左の膝が我慢できるよう注意してあげてください、と」(勝さん)。スタート2時間前からたっぷり練習して1番ティーに立った。

 その1番でいきなりのボギー。それでも、崩れなかった。4、5番で連続バーディー。最終18番は「これを入れたら単独首位だ」と狙って4・5メートルを沈めた。中嶋常幸(61)が主宰する「ヒルズゴルフ・トミーアカデミー」に在籍し、この日来場した中嶋の助言が効いた。「朝、中嶋さんから緊張するとグリップが強くなって、体が硬くなるよと言われたので、グリップを優しくして、肩を動かすようにしたら途中から楽しくなってきて。緊張を受け入れながら」と振り返った。

 国内メジャー第3日終了時点でアマチュアの首位は史上初。15歳278日のツアー最年少V、国内メジャー初のアマチュアVと数々の記録がかかる。「すごくうれしいけど、記録とかは考えないで明日も自分のプレーができればと思います」。15歳とは思えない落ち着きを見せる長野に対し、バッグを担ぐ父は「震えてきちゃいますね。今日で終わってほしいです」と苦笑い。2日は弟史歩くんの運動会で母尚子さんは会場に来られないというが、親子二人三脚で快挙に挑戦する。