新星・松森彩夏(22=スターツ)が2つの偉業に挑む。5バーディー、ノーボギーの67で通算10アンダー206。首位と4打差4位で迎える最終日に逆転優勝を飾れば、前週の富士通レディースから史上3人目の「ツアー初優勝から2週連続優勝」。ノーボギーで回っての優勝なら、資料の残る90年以降初の「72ホール競技ノーボギーV」となる。賞金ランク3位笠りつ子(28)同4位鈴木愛(22)が通算14アンダーで首位に並んだ。

 猛烈な若さ、勢いだ。51人中21人が60台となったバーディー合戦で、松森も67をマーク。スタート前の首位との4打差を守った。「落ち着いて、自分からバーディーを取りにいかない。それが自然とできました」。史上3人目の「ツアー初優勝から2週連続V」がかかる今大会で、史上初の「72ホール競技ノーボギーV」まで見えてきた。

 初優勝で知ったことがある。富士通レディースを制した16日夜。家族で外食して都内の自宅に戻ると、録画していた優勝シーンの“鑑賞会”が始まった。「私は平気なのに、みんながうるうる来始めて“なんで?”って」。用具契約を結ぶテーラーメイド社のスタッフが号泣したことも聞いた。「周りが、お世話になっている人がこんなに喜んでくれるなんて…。初めて分かりました」。

 体の疲れもない。ゴルフの調子もいい。「2週連続はあまり気にせずベストが尽くせれば」。みんなの思いも力にして、首位の笠と鈴木の背中を追う。【加藤裕一】

 ◆ツアー初優勝からの2週連続V 過去に2人。西田智慧子が90年宝インビテーショナル→富士通レディース。表純子が05年シャトレーゼクイーンズカップ→スタンレーレディース。

 ◆ノーボギー優勝 資料が残る90年以降、今年7月サマンサタバサレディースの全美貞ら8人(8例)。99年NEC軽井沢72の韓熙円は第2ラウンド中止で36ホール競技、その他は全て54ホール競技。