松山英樹(24=LEXUS)が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算14アンダーの202で4位となった。この大会で2年連続となるカメラのシャッター音による“妨害”を受けながら粘りのプレー。最終日は米ツアー初優勝がかかる首位アニルバン・ラヒリ(29=インド)との5打差を追い、大逆転を狙う。

 松山は不運にもめげなかった。スタートからの3連続バーディーで単独首位に立つと、海外メディアが松山の組に集まってきた。迎えた5番パー5は、2オンに成功してイーグルチャンス。だが、パットの際、パターがボールにヒットする直前に背後でカメラのシャッター音が鳴った。

 「ダウン(スイング)くらいだったので、止められなかった」。カップの1メートル手前で止まったボールの軌道ではなく、後方をじっと見つめて怒りをにじませた。優勝を争った昨年の最終日も6番の第2打でシャッター音に邪魔された。多くのカメラマンが殺到するトップ選手だからこそのアクシデント。深呼吸してバーディーパットを沈め、「ラインにも乗ってましたし、残念ですけど、仕方ないですね。その後は全然気にしてなかったです」と受け止めた。

 後半11番ではティーショットを池に落としながら、ドロップして打った第3打をピンに絡め、微妙な距離のパットもねじ込んで“ナイスボギー”。それだけに、最終18番が痛恨だった。「あのミスは想像してなかったのでビックリしました。(予想外に)曲がっちゃった」というティーショットが右の茂みに入り、アンプレアブルを宣言。ここまで2日間はいずれもバーディーを奪っていたホールでボギーをたたいて終えた。

 バーディー合戦必至のコース。5打差は「大きいですけど、爆発すればチャンスはある」と見ている。逆転のプランは「早めに20アンダーまでいけば、プレッシャーをかけられる。それができなければ、なかなか優勝というのはなくなってくる」。初優勝を狙う首位のラヒリは、大会前の練習ラウンドでわざわざ隣のホールから大声で日本オープン優勝を祝福してくれた親交のある相手だ。それでも、負けるわけにはいかない。【亀山泰宏】