日本女子オープンで国内メジャー初のアマチュア優勝を飾った畑岡奈紗(17=茨城・ルネサンス高3年)がプロデビューを果たした。降雨でスタートが遅れ、4ホールを残して日没サスペンデッドとなったが、3バーディー、1ダブルボギーの1アンダー。プレー途中の選手を含めて11位相当につけた。キャディーの母博美さん、観戦した父仁一さんもひと安心のプロ第1歩となった。

 見ていたみんなが驚いた。畑岡がプロとして臨む初めての大会。1番で、コースへ一礼したところまでは初々しかった。それがスイングで一瞬にして雰囲気を変えた。降雨で開始時間が遅れて集中力を保つのが難しく、寒さで飛距離も出ないはず。それでも思い切りボールをたたくとフェアウエーど真ん中へ運んだ。

 「スタートは緊張しましたけど、あれでとりあえずホッとしました」。365ヤードの1番で「飛びましたね。残り76ヤードの位置まで行きました」。いきなりの豪打で同組の鈴木愛より約50ヤードも飛距離で上回った。

 1~3番でパーをキープすると、4番ではグリーン手前からチップインでプロ初バーディー。両手で万歳して喜んだ。9番で第2打を右の池に打ち込んでダブルボギーをたたいたが、崩れずにその後も2バーディーを奪った。前日まで右へ飛んでいたティーショットも、フェアウエーを外したのは5番だけだった。

 未ホールアウトの50人を含む全選手の中で1アンダーで11位相当。大山志保、テレサ・ルーと3打差につける。畑岡は「9番のセカンドで(観戦した父は)倒れちゃったんじゃないですか」とおどけたが、父仁一さん、母博美さんもほっとひと安心の第1日だ。

 会社員の仁一さんは13日から中国出張。観戦できるのは今日12日までだった。「3日目まで行けば初任給(賞金)ですね。だから明日(12日)はぜひ予選を通過してほしい。お金を稼ぐ大変さと、努力すれば見返りがある喜びを味わってほしい」と期待した。

 今日12日には未消化分の4ホールを加えた22ホールでプレーする。コースへ礼をする初心を忘れず、プロとして見に来てくれたギャラリーへの感謝を胸に、再び奮闘する。【千葉修宏】