【メルボルン23日=亀山泰宏】今日24日に開幕するゴルフの国・地域別対抗戦のISPSハンダW杯(キングストン・ヒースGC)で日本は3度目の優勝を狙う。初めてタッグを組む松山英樹(24)と石川遼(25)を支えるのが、もう1つの同学年コンビである進藤大典氏と佐藤賢和(よしかず)氏(ともに36)の両キャディー。東北福祉大ゴルフ部で同期だった2人が、大舞台を前に熱く語り合った。

 同学年のスター2人がチームを組んだ今回のW杯には、もう1つの巡り合わせがあった。松山専属の進藤氏と石川専属の佐藤氏。2人はともに東北福祉大ゴルフ部で腕を磨いた同期だ。

 佐藤氏(以下佐) 選手も同期で僕と大ちゃん(進藤氏)も同期。強い結束力が生まれる気がする。

 進藤氏(以下進) 人生、どうなるか分からないよね。W杯出場が決まってから楽しみだった。賢和(佐藤氏)の明るさが心強いし、周りの国にはないチームワークが生まれると思う。

 キャディーとしてのお互いを、どう見ているのか。

 佐 大ちゃんはメチャクチャ仕事が細かい。いい意味でね。僕が調べないようなことまで調べるので、今回、僕の中で少しオーバーワーク気味です(笑い)。

 進 そこは英樹に成長させられてる部分だと思う。賢和はすごい。どこにいっても変わらない。アメリカにいようが、イギリスにいようが、南半球にいようが、佐藤賢和はぶれない。自分をしっかり持っている。

 佐 人に合わせられないんです。B型です、私は。

 進 幹がしっかりしてるから、選手は心強い。

 佐 恐縮です。

 進 素っ気ない!

 佐 (大学同期)岩田(寛)仕込みだね(笑い)。

 佐藤氏から見た松山、進藤氏が見た石川は、どんな選手であり、人間なのか。

 佐 僕が英樹を初めて見たのが09年。次の週にキャディーをやる予定だった選手のプレーを見にいったら、一緒に回っていた。すごい選手だと思ったけど、アマチュア時代にずっと騒がれていても、プロでそのまま爆発するケースはすごく少ない。そういう意味で英樹も遼も、同じ星の下に生まれてるんじゃないかな。

 進 英樹はどちらかと言えば理数系、遼は芸術家肌かな。理論派の精密機械と感覚派のアーティストが融合した時の化学反応が楽しみ。かみ合えば、どこの国にも負けないと思う。

 4人の力を結集して、02年以来の優勝を目指す。

 佐 1つのボールでやる初日と3日目がすごくキーになってくる。そこでお互いに気を使いすぎて小さくならず、思い切ってやってほしい。同級生だから、いざとなったら自分を出せるとは思う。あとは、若い2人をおじさん2人がどう支えるか。乞うご期待です。

 進 彼らから見たらおじさんか…。いや、いいお兄さんでありたい(笑い)。賢和と僕の2人でスーパーヒーローをサポートしたい。

 ◆進藤大典(しんどう・だいすけ)1980年(昭55)7月3日、京都府生まれ。明徳義塾高、東北福祉大でゴルフ部に所属。宮里優作、谷原秀人、片山晋呉らのキャディーを務め、13年から高校、大学の後輩にあたる松山の専属キャディーとなる。

 ◆佐藤賢和(さとう・よしかず)1980年(昭55)4月8日、宮城県生まれ。東北福祉大を経てプロを目指すも、大学同期の宮里優作の勧めで06年からプロキャディーに。石川の他には片山晋呉、平塚哲二、女子の北田瑠衣、有村智恵、上田桃子の優勝に貢献。