日本女子ツアー史上最年少でプロ転向した畑岡奈紗(17=茨城・ルネサンス高3年)が、再び最年少記録を打ち立てた。4ボギー、1ダブルボギーの78と乱れたが、通算5アンダーの355で14位となり、08年宮里美香の19歳を上回る日本人最年少で米女子ツアーの来季フル参戦の出場権を得た。今月末からはジュニア仲間とマレーシアで年越し合宿を敢行。来年1月の開幕戦、ピュアシルク・バハマ・クラシックに向けて準備を進めていく。

 最後はヒヤヒヤだった。日本女子オープン優勝、プロ転向に続く最年少記録となった畑岡は「長かったです…。10年くらい寿命が縮まりました。当分、ゴルフはしたくないです」と苦笑いだった。第3日まで首位に立ち、05年宮里藍以来日本人4人目のトップ通過も見えたが、後半2日間でスコアを9つ落とした。来季大半の試合に出られる権利を得た上位20人(19位)のラインを1打、上回った。

 4位から出たこの日は、9番から4連続ボギー。14番ではダブルボギーをたたいて泥沼にはまりかけた。ここで冷静さを失わなかった。15番パー3の第2打はラフとカラーの境目からユーティリティーを使って寄せ、パーセーブ。「米ツアーはコースセッティング、芝が違う。飛距離はもちろんですけど、グリーン周りからいかに寄せていけるか」と話したように、さまざまなクラブを使ったアプローチを練習してきた。その成果を土壇場で発揮した。

 今週中に帰国し、休む間もなく参戦準備を整える。その1つが、日本女子オープン優勝前から計画していたマレーシア合宿。今年の日本女子アマを制した高橋彩華(さやか、新潟・開志国際高)ら同学年のトップアマチュアと6人で12月下旬に海を渡る。各選手の親は同行せず、クアラルンプールからの電車移動は自分たちで手配。さながら“卒業旅行”だが、現地では来年7月のプロテスト受験を目指すライバルたちとみっちり練習を積む。帰国は年明けを予定している。

 「まだ自分に甘さがある。あらためて、ゴルフの厳しさを知りました。最後まで、ホントに何が起こるか分からないと思いました」。薄氷の通過が、さらなる進化へ意欲をかき立てる。「まだ、全ての面で足りない。オフにしっかりトレーニングをしたい。来年は80位以内に入ってシードを確保して、あと、できれば1勝したい」。全米女子オープン優勝と20年東京五輪での金メダルという壮大な夢に向かう第1関門を、見事に突破した。