驚異的な強さで1年を締めくくった。松山英樹(24=LEXUS)が2バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの73で回り、通算18アンダーの270で大会初優勝を飾った。ツアー非公式ながら、世界ランキングの上位者で争われた大会。個人戦ではここ5試合で4勝となり、年内の戦いを終了。優勝会見では「目標はマスターズで勝つこと」と、あらためて宣言した。

 松山にとって、意義深い優勝だった。タイガー・ウッズ(米国)がホストを務め、昨年8月以来となる実戦復帰を果たした大会。「タイガー・ウッズの試合で勝てるということは僕にとって大きなこと。うれしかった」と笑顔を見せた。

 優勝会見では米メディアも「この5試合、タイガーのようなゴルフができている要因は?」と重ね合わせて質問。「これだけ勝ってもタイガーにはなれない」とした上で「多くの試合を勝てるように一生懸命やっている成果が少しずつ表れているのかな」とうなずいた。「いつもメディアがたくさんいて、日本のタイガー・ウッズのような気分では」という問い掛けには「プロになって最初の頃(成績が)悪い時にインタビューを受けるのがすごく嫌でした。それをしっかりと受け答えしなきゃいけないと思い始めて、プレッシャーという意味では楽になった」。第一人者として、重圧との向き合い方を説いた。

 岩田寛の練習法を参考にしたというパットは好調を維持。最終18番も「苦手な(状況の)アプローチだったけど、アゲンストの風を計算してうまく打つことができた」とグリーン奥からピタリと寄せてパーセーブ。今季全英オープン覇者ステンソン(スウェーデン)の猛追を振り切った。石川遼は語る。「練習でちょっとアプローチ勝負した時は勝てたりする。でも、試合の土壇場、この1球というところで英樹はそれ(スーパーアプローチ)をやってのける。集中力というか、自信が違う気がする」。

 「目標はやっぱりマスターズで勝つこと」と宣言。いったん帰国し、来年1月5日開幕のトーナメント・オブ・チャンピオンズ(ハワイ)から、日本男子初の偉業に向けた戦いを再開させる。