男子ゴルフの尾崎将司(セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ)が70歳の誕生日の24日、千葉市内の練習場で背水の陣の決意を明かした。昨季はツアー12試合に出場して9度の途中棄権に終わり「醜態をさらした」と反省。昨年12月から重いクラブで打ち込みを始め、長く苦しむ腰痛の克服のために新たな治療法も取り入れた。引退と紙一重のシーズンだが「今年は楽しみ」と希望を見いだした。

 尾崎の表情は晴れやかだった。千葉市内の練習場。1155グラムの特注クラブを使い、若手と遜色ない打球を飛ばした後、今季への決意を明かした。「ここ数年、体を強くすることを考えすぎて振ることが少なすぎた。中日の落合がホームラン王を取っていた時、『バットを振って体を作る』と言っていた。オレもそれが大事だと思う。だから去年の12月から球も打っている」。

 打ち込みと同時に、十数年前から悩まされる腰痛の根治のため「マイオセラピー」という治療法も導入した。電気を通したバイブレーターを首から腰まで1センチおきに押し込み、血流を良くして全身の機能を回復させるという。「首から腰までダーって赤い斑点が出る。結構きついけど腰と背中が治るんじゃないかと期待している」。痛みを伴う治療を3週間に1度続ける。

 生涯レギュラーツアーとの気持ちがある。「シニアに転向するつもりはまったくない。今年ダメならクラブを置く」と言う。昨年11月には「重大な局面に立たされている」と引退を示唆する発言もあったが、「去年のような醜態は見せたくない。今年の基準は棄権しない体をつくること。時々は(予選を突破して)4日間やりたい」と前向きだ。

 今季の国内初戦となる4月の東建ホームメイト杯(三重)に照準を合わせて準備を進める。「今年ダメだったらみなさんとお別れしますから。長い間お世話になりましたってね」。言葉とは裏腹に、13年つるやオープン以来となる予選突破へ意欲は満ちあふれていた。【千葉修宏】