男子ゴルフの松山英樹(24=LEXUS)が世界NO・1奪取に挑戦する。16日開幕のジェネシス・オープン(カリフォルニア州リビエラCC)で優勝すれば、世界ランク(WR)5位からトップへ上り詰めるチャンスがある。14日(日本時間15日)の公式会見で話題を振られ「そのことは知っている。もし達成できれば、目標が1つクリアできる。それが今週じゃなくても、いいプレーをした結果がそうなればうれしい」と意欲をのぞかせた。

 1年前はWR14位。前戦フェニックス・オープンからの連勝、予選ラウンド同組が決まった現在のWR1位デー(オーストラリア)が下位に沈むという条件付きだが、1位に立つ可能性があること自体、驚異的な勢いを象徴している。それでも本人は冷静だ。「いつ世界のトップに立てると思うか」という質問に「まだまだやれるという自信はないけど、しっかり自分のベストを出し続けていくだけ。まだまだだけど、今までもそれを続けてきたから、今この位置にいるんだと思う」と表情を引き締めた。

 “直接対決”となるデーから「ここ数カ月のヒデキのプレーは素晴らしい」と称賛されると「そう言ってもらえるのはうれしい。それに準ずる成績も出したいし、もっともっといいプレーができれば面白い」と気持ちを高ぶらせた。出場3度で23位、4位、11位と相性は悪くない舞台。日本人最高位となる中嶋常幸の4位を飛び越え、世界の頂へと一気に手を伸ばす。

 ◆日本人の世界ランク1位 女子ゴルフでは宮里藍が10年に日本人初の1位となった。テニス界では00年女子ダブルスの杉山愛、車いすテニスの国枝慎吾と上地結衣はシングルスとダブルスでともに1位に立った経験がある。06年アーチェリー山本博とトランポリン上山容弘、08年フェンシング太田雄貴、14年バドミントン女子ダブルス高橋礼華、松友美佐紀組らも日本人初の1位となる快挙を達成した。柔道やレスリングといった“お家芸”では、数多くの世界NO・1が生まれている。

 ◆世界ランク計算方法 世界各ツアー、大会ごとにポイント(P)が設定される。有効期間2年。獲得Pを出場試合数(最大52、最少40試合)で割って平均を出し、1週ごとにランクが決定する。直近13週の成績を重視するため、遠い成績ほどウエートが軽くなる。各ツアーの賞金ランク上位者や世界ランク上位者(200位以内)の出場人数が多いほど、Pが加算される。世界ランクトップ10のうち8人が出場する今大会ジェネシス・オープンに優勝すれば、66Pを獲得できる。日刊スポーツ試算では松山は優勝なら平均P9.8533となり、これをデーが下回るのは今週の獲得Pが57位相当になる1.26P以下だった場合。