渡辺彩香(23=大東建託)は昨年7月の全米女子オープン最終日、18番でパーセーブなら世界ランクで大山志保を逆転してリオデジャネイロ五輪代表獲得濃厚だった。だが、まさかのダブルボギー。「最後の5ホールぐらいから、リオをすごく意識したプレーになってしまった。正直、初めてあんなに緊張した」。夢の五輪には届かず、試合後は号泣した。

 それでも悔しさが渡辺を強くする。今年1月末から丸山茂樹に指導を受けるため渡米。現地ではアプローチとパットを重点的に練習し、男子ツアーのジェネシス・オープンも観戦した。松山やデーらのプレーを頭に刻み込み「体の回転の速さはなかなか女子ではマネできないですが、こういう風に振りたいというイメージにはなります」という。

 14年に初勝利。15年に2勝し、昨年はさらなる飛躍が期待された。だが未勝利に終わった。五輪出場を逃したダメージからか、夏場以降は5度の予選落ちもあった。今年は逆襲の年にする。ダイキンオーキッドレディースから始まる新シーズンへ「去年勝てなかった分も勝ちたい」と気合十分だ。