世界ランク4位の松山英樹(25=LEXUS)は5バーディー、2ボギーの69で回り、通算2アンダーの142で20位に浮上した。トップとの差は8打に開いたが、本来の安定感とキレが戻ってきたショットでトップ10には2打差と迫った。チャーリー・ホフマン(40=米国)が通算10アンダーで単独首位に立った。

 松山が納得の表情を浮かべた。「ショットに対するストレスは、今日はほぼほぼなかった」。連続ボギーがあった前半もフェアウエーキープ率は100%。後半はさらに切れ味が増した。11番は残り166ヤードから8番アイアンでピンそば20センチにピタリ。初めてフェアウエーを外した12番も連続バーディーとするなど、ボギーなしで3つ伸ばした。

 本人は「意識していない」と話すが、ショット前の動作に微細な変化が見て取れた。アドレスに入ろうかという瞬間に手首を立ててクラブのヘッドを持ち上げ、時計回りに180度回す。昨年10月の日本オープンから取り入れていたルーティン。導入当初に近い形でよりしっかりと旋回させた後、さらにバックスイング方向へ少しクラブを引いて戻す動きも加わった。

 ぶれないマネジメントが貫禄を漂わせる。スーパーショットにつなげた11番の第1打は3番アイアン。直前に同組のローズ(英国)がドライバーで打っていた。目の前で飛距離を稼がれれば、続きたい衝動に駆られる選手もいるが、自らのプラン遂行に専念してバーディーを奪った。前戦メキシコ選手権でも予選同組の世界ランク3位マキロイ(英国)がドライバーをかっ飛ばす中、6番アイアンを握ったホールがあった。

 「今日くらいのショットが続いて打てるようになった時、やっとトップが狙える。(グリーンに)乗っけてパター勝負できたら、おもしろい」。油断のない冷静な自己分析にも世界4位の“ドッシリ感”がある。【亀山泰宏】