世界ランク60位の谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)が、世界ランク6位でメジャー2勝のジョーダン・スピース(23=米国)を破る金星を挙げた。

 テキサス生まれのスピースが相手とあって“完全アウェー”だったが「そこは気にせず、楽しめたのが一番良かった」。3番のピンチをしのいだのが大きかった。難しいアプローチとなった第3打がピンをオーバー。スピースはパーがほぼ確実な状況で、4メートルのパーパットをねじ込んだ。7番でバーディーを奪って先行すると、そのままリードを広げ、4アンド2(2ホール残して4アップ)で勝利。ひょうひょうとしたプレースタイルで知られるが「そりゃあ、うれしいですよ。大金星ですよ」と、この日ばかりは表情がほころんだ。

 試合後は公式会見に呼ばれ、その後立ち寄ったアプローチ練習場では、松山英樹をはじめとする「チーム松山」の面々から拍手で迎えられた。それでも、マスターズ切符獲得のラストチャンスに臨んでいる谷原にとって、1つ勝つことは通過点。「あと2戦、残ってるから。気持ちを切り替えて、一戦一戦やっていければ」と先を見据えた。