昨年、賞金ランク41位で初シードを獲得した大堀裕次郎(25=フリー)がツアー初優勝へ意気込んでいる。

 今季の国内初戦となる東建ホームメイト・カップが13日に開幕。大堀は「勢いに乗れるように、早めに優勝したい。初優勝できれば、賞金ランキング10位以内を目標にしたい」と話す。

 大阪学院大で日本アマを制した期待の星だったが、プロ転向直前の右肋骨(ろっこつ)疲労骨折などもありプロ1年目の14年は2試合しか最終日までプレーできなかった。

 サッカー日本代表、本田圭佑(30=ACミラン)と所属事務所が同じで、1年目に鼻をへし折られると、イタリアへ飛んで本田にアドバイスをあおいだ。

 「夜6時に集合してご飯を食べながら朝の5時までっていうのが1週間続いたんですよ。あれは洗脳ですね(笑い)。でも、すごく参考になりました。すごいポジティブで、前向きな方。1年目に打ち砕かれた時にお会いして、トレーニングの面でも頑張ろうと思った。印象に残ったのはひと言じゃなくて、ありすぎます」

 一方、プレー面では谷口徹と合宿をともにして、指導を受けている。

 「3月も2回、それぞれ1週間ずつ宮崎に行って谷口さんと練習をさせてもらいました。谷口さんはアプローチとパターが別格なので、その辺をずっと教えてもらってました。練習場でもラウンド中でも教えてくれます。谷口さんは引き出しの数が違いすぎる。フェアウエーの真ん中からグリーンのセンターへ打つというノーマルのショットは誰でもできるんですけど、それ以外のバリエーションの数が違いすぎて。僕も引き出しをもっと増やしていけたらいいですね」

 将来的な目標はマスターズ優勝。だが、すぐに米ツアーに挑戦しようとは思っていない。谷原秀人のように国内を中心にプレーしながら世界ランクを上げ、マスターズへ挑戦する道もあるからだ。「今は日本で頑張りたい。谷原さんのように、日本で頑張ればあれくらいの世界ランクにいける。谷原さんのようにパターがうまくなれば」と目標に掲げる。

 現在、78キロ。地道なトレーニングで、疲労骨折した13年から12~13キロも体重が増えた。「飛距離は変わらないですけど、体力的に伸びたんで、軸がぶれなくなった。前はちょっと疲れると軸がぶれて球も曲がってたんですけど」。タイガー・ウッズを見て育ったという大堀は、ウッズばりにアグレッシブに攻め、ツアー初優勝をたぐりよせるつもりだ。