久保谷健一(45=フリー)が、5年ぶりとなるツアー通算7勝目を挙げた。7バーディー、ノーボギーの64で回り、通算11アンダーの273でホールアウト。最後は宮本勝昌(44)とのプレーオフを制した。

 「人生で3本の指に入る」と自画自賛したパットは圧倒的だった。「1番はそん4メートルくらい。5番は6メートルくらいかな」とバーディーホールを振り返り始めたら止まらない。「(7番)パー3は長かったね。8(メートル)はあった。9番も8(メートル)くらいかな。11番は、やばい。15メートルくらいあった。最後(18番)だって4メートルくらい。他にも、まあまあ入りそうなのがあった。一緒に回った人が『この人は神様か』みたいな顔をしてたね」。最終日の平均パット数1・4167は、全体トップだった。

 「トップ10に入りたいな、トップ5もあるかなと思っていた。途中でリーダーボードを見て優勝を意識していたら、きっとボギーを打っていたと思う。『周りを見ない作戦』が、はまったね」と言ったように、ホールアウト後はすぐに帰ろうとしていたほど無欲の勝利だった。

 12年日本オープン優勝で得た5年シードの最終年だっただけに、安堵(あんど)した部分はある。それでも、慢心はない。97年フジサンケイ・クラシックで初優勝翌週に予選落ちした時、尾崎健夫に言われた。「勝った翌週だけは予選落ちするな」。それ以来、優勝翌週は全て予選を通ってきた。今回も忠実に教えを守るつもりだ。