青木功(74=フリー)と尾崎将司(70=セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ)が“最後の同組対決”で、ともに予選落ちした。77で回った青木が通算22オーバーの104位、78の尾崎は同21オーバーで103位。尾崎が「(同組は)もう最後」と別れを告げると、青木も「それが近づいている」と寂しそうに返した。

 1打、1打に思いを込めた。1番パー4。70歳尾崎が2メートルを沈めて今大会で初のバーディーを奪う。9番パー4で第2打をバンカーに入れると、クラブを投げつけて悔しがった。74歳青木も12番パー4でバーディー。全盛期ほどショットの伸びがなくてもパットが乱れても、忍耐で5年ぶり同組対決となった2日間36ホールを乗り切った。長い年月で分かり合った互いの呼吸。喜びも、悲しみも、隣で感じ合うのはこの日限りとなりそうだ。

 「もう最後にしてもらいたいね。(スコアが)引きずられるからな」。尾崎は無愛想に言った。それは未練を断ち切るかのようでもあった。大会前に「一緒に回るのは最後になるかも知れない」と漏らした青木は報道陣に「ジャンボは何て言ったんだ? 教えてよ」と尋ねた。親しい間柄だからこそ聞きたくても聞けない。「最後」という言葉を伝え聞くと笑みは消え、寂しそうな表情になった。

 「また(同組で)やったら『やらせ』みたいになるもんな…。もうあるかないか分からない。だから36ホール、老体にムチ打って回れたのは本当に良かった」

 105選手中、青木が104位、尾崎が103位。同組で孫のような年の差の20歳星野を気遣い、尾崎は「今日はバーディーをいくつ取るんだ?」とハッパをかけた。その星野が18番をバーディーとし、予選通過を引き寄せると3人でハイタッチして喜んだ。一時代の終わりは、最高の笑顔だった。【益子浩一】