大和笑莉奈(27=フリー)が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算5アンダーの139で鈴木愛(22)、キム・ハヌル(28=韓国)と並んでトップに立った。レギュラーツアー出場機会が限られる中、2カ月ほど前から照準を合わせていた舞台でチャンス到来。自身3度目の最終日最終組でツアー初優勝を狙う。1打差の4位には藤本麻子(26)が続いた。

 初Vの夢が膨らむ一打だった。大和は18番の第2打を1メートル強につけるバーディーで締めた。出られる試合がなかなかなく、練習に明け暮れた昨年。徹底して反復した距離は外さない。全体の平均スコアは75・1533。風によって難しさを増したコースでスコアを伸ばし「風は好き。できれば吹いてほしい」と言った。

 昨年の最終予選会は79位。レギュラーツアーに多くの参戦機会は望めない。今季2戦目となるこの試合の主催者推薦が決まった3月から照準を合わせてきた。「勝つ気持ちでやっています」。自信の源の1つが、米国の大富豪が私財を投じて起こした新興メーカーPXGのクラブだ。「(契約選手の)ザック(ジョンソン)が好きなんです。腕が常に体の正面にあるスイングが好きで」。高校卒業後に米下部ツアーを経験した選手らしく、海外メジャー2勝の名手に影響を受ける形で昨年末に興味を持った。日本ではまだなじみが薄く、他メーカーに間違えられることもしばしばだというが、全幅の信頼を置く。

 東北高では寮で2年先輩の有村と同部屋。同学年の木戸とは高校選手権団体を2度制した。プロでの実績で離された2人の後退を尻目に首位浮上。前回最終日最終組だった14年ヨネックス・レディースはプレーオフで敗れており、三度目の正直を狙う。【亀山泰宏】