鈴木愛(22=セールスフォース)が通算7アンダーで並んだキム・ハヌル(28=韓国)とのプレーオフに敗れ、今季初優勝を逃した。

 惜敗直後、報道陣の質問にしばらく言葉が出てこなかった。目に涙を浮かべながらしぼり出したのは「悪いゴルフではなかったと思うんですけど…」。3連続バーディーでリードした直後に5番でダブルボギー。17番は決めれば逆転という1メートル強を外し、18番は正規、プレーオフとも同じ下りのラインだったバーディーパットを決められなかった。「自分のマークからだと、どうしてもスライス(ライン)には見えなかった」。本人が最も悔やんだのは、ティーショットを左の池に入れてボギーとした10番。「風が思ったよりなくて、思った以上に左へいってしまった。キックが悪かったのか、運が悪かったのか…」と振り返った。

 昨季は8度の最終日最終組を経験。イ・ボミ(韓国)の10度、申ジエ(韓国)の9度に次いで、日本勢では断トツに多い数字だったが、優勝は10位からの逆転だった日本女子プロ選手権と合わせた2度。卓越したパットを武器に安定して上位を争える鈴木だからこそ、誰よりも悔しい思いを積み重ねてきたということでもある。「来週はメジャーもありますし、シーズンもまだ残っているので、この経験をちゃんと生かしたいです」。直近3試合は4位、3位、そして2位。涙を糧に、もっと強くなる。