世界ランク4位の松山英樹(25=LEXUS)は5バーディー、4ボギーの71で回り、通算1アンダーの143で首位と8打差の34位となった。

 「何とも言えないラウンドでした」。バーディーとボギーが交互に出る展開。14番ではフェアウエーからの第2打をグリーン左のバンカーへ外すと不満を隠せなかった。しかし、「ラインを見た瞬間に寄るなと思った」。1年前の第1ラウンドでもチップインを決めたバンカーから、再びのチップインバーディーに思わずガッツポーズが出た。続く15番もバーディー。小技で流れを引き寄せた。

 17番パー3では運も味方に付けた。美しいアイランドグリーンで知られる名物ホールでは、予選ラウンド2日間で40個以上のボールが池に消えていた。これは03年以降では最多の数字。松山の組で最初に打ったフィル・ミケルソン(米国)も、やはりグリーン奥に池ポチャ。本来なら次は松山の順番だったが、なぜがジョーダン・スピース(米国)が先に打ち、ミケルソン同様に奥の池へこぼした。

 「予選通過がギリギリだから、カッカしてるのかなと。ホントは僕が先なんだけど、参考になるからいいやと(笑い)。気合入っているのに、ちゃちゃ入れるのもかわいそうなんで…」。最初にバッグから抜いていたピッチングウエッジでしっかりとグリーンを捉えてパーセーブ。「すごくコントロールして打った。スピンが入ったので、あそこで止まってくれた。あれが2番目に打っていたら、奥の池に入っていた。ラッキーだった」と、同伴競技者の勘違いにも助けられる形でトラブルを回避した。

 前日左の池に落とした最終18番では、アドレスに入る直前で3番ウッドからドライバーに持ち替えた。「池に入りそうな気がしたんで」。ドライバーを握らない選手も多いとはいえ、この日全143選手の中で最も飛ばした321ヤードのビッグドライブ。悔しいボギー締めとなっても随所に見せ場があった。

 「ショット、パットともに全然良くないので、これで予選を通れたのは良かったと思う。8ストロークというのはすごく遠いですけど、自分のゴルフがばっちりちかみ合えば、いいところで最終日を迎えられると思うので、しっかりとそれに向けて頑張りたい」。首位と10打差で第2ラウンドを終えた昨年大会は第3ラウンドで67をマーク。差を4打まで詰め、最終日最終組をプレーしている。