今平周吾(24=レオパレスリゾートグアム)が4バーディー、2ボギーの69で回り、通算8アンダーの205で2位カート・バーンズ(35=オーストラリア)に5打差をつけ、ツアー初優勝に王手をかけた。4日間を戦って初優勝が完全優勝なら、日本人では09年日本プロを制した池田勇太以来。若手のホープ筆頭として名前を挙げられてきた男が、3度目の最終日最終組で頂点をつかみにいく。

 今平の表情は緩まない。単独首位で迎える初めての最終日。「5打差だけど明日はゼロからのつもり。1日でスコアを崩す選手もいる。何が起こるか分からない」。首位タイで最終日に臨んだ14年カシオ・ワールドオープンは6番でダブルボギーをたたいて脱落。22位に終わった経験がある。

 つかんだ運を離さない。9番のバーディー。第1打は「めっちゃ右にいったと思った」。実際にボールが入っていた目の前のバンカーを素通りして林の中へ捜しに行こうとしたほど、感触は絶望的。バンカーにあったことでスピンもかかりやすくなり、1メートルにピタリとつけた。「ラッキーのバーディー。少し気持ちに余裕ができた」と振り返る分岐点だった。

 ひとときも無駄にするつもりはない。大事な最終日前日の夕食はかねて誘われていた谷口徹と。「優勝争いの緊張感をどうコントロールするか聞いてみたい」。前週日本プロでは丸山茂樹からハッパを掛けられ、周囲の期待も感じている。三度目の正直で勝ちにいく。