今平周吾(24=レオパレスリゾートグアム)が4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70で回り、通算9アンダーの275でツアー初優勝を飾った。ただ1人4日間アンダーパーをそろえて2位とは6打差。4日間を戦って第1日から首位を譲らない完全優勝で初Vを達成したのは、日本人では09年日本プロを制した池田勇太以来の快挙だった。

 若手の台頭を喜んだのは日本ゴルフツアー機構の青木功会長(74)。「チャンスをつくるのは自分だし、チャンスを生かすのも自分。これだけ難しいゴルフ場で、これだけのスコアが出せたのは、相当自信になったと思う」と評価した上で「星野(陸也)とか若いのがいっぱいいるけど、『あいつができるなら…』という刺激を与えてくれて良かったと思う」。相乗効果に期待を込めた。

 今平が尊敬する谷口徹(49)は18番グリーンの脇で待ち構え、ウオーターシャワーで祝福。前日の夕食もごちそうしていたが「1つだけ、訂正しておきますけど…」と切り出した。「僕が(一方的に)しゃべってるんじゃなくて、今平がしゃべらなすぎるから、しゃべってるだけ」。前日のホールアウト後、今平が報道陣に対して「谷口さんが1人でしゃべって、それを聞いてる感じ(笑い)」と普段の会食風景を説明していたことに我慢できなかった? 様子。こうやっていじられるあたりも、かわいがられている証拠だ。

 中堅、ベテランが健在ぶりを示してきた今季。若手のホープと呼ばれて久しかった男が殻を破った。これに続く存在が出てくることが、ツアー活性化への近道だ。