「宮里藍引退」のニュースは26日、国内の女子ゴルフ界に驚きをもたらした。31歳の本人は決断の理由を明らかにしていないが、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の樋口久子相談役は「燃え尽きたのかもしれない」と気遣った。関係者からは女子ツアーを盛り上げた「藍ちゃん」に感謝する声も多く聞かれた。

 女子ツアーのリゾートトラスト・レディースが行われた奈良県山添村で取材に応じた樋口さんは「突然でびっくりした。でも惜しいですね」と残念がった。樋口さんがLPGAの会長だった2003年に宮里選手がアマチュアでツアー優勝を果たし、プロに。「彼女が出てきたころから(試合中継の)視聴率が上がったり、選手が週刊誌に取り上げられたり、女子ゴルフがフォローの風に乗った。彼女に憧れてゴルフを始めた子もいるでしょうし、本当にすごい功績を残してくれた」と話した。

 13年賞金女王の森田理香子は「(宮里)藍さんと(横峯)さくらさんがいたから、今これだけ試合がある」と言う。賞金シードを失った自身と宮里選手の最近の苦闘を重ね「藍さんはつらかったと思う。でも成績が出なくても、存在だけで価値があるから引退しないでほしかった」としみじみ語った。

 上田桃子ら米ツアーに参戦した選手たちは既に引退の意思を伝えられていたという。有村智恵は「昨年の終わりごろに(意思を)直接聞いた。でも理由ははっきりしない。疲れたのだろうと思った」と打ち明けた。同じ宮城・東北高で2学年上だった宮里について「ゴルフを離れても神様みたいな、お手本的な存在。その印象はずっと変わることがなかった」と話した。

 LPGAの小林浩美会長は「まず心身ともにゴルフから自分を解放してください。この先、またたくさんの可能性が開かれると思う」と、書面でねぎらいのコメントを出した。