昨季は3年ぶりにトップ5に入った試合もあったが、優勝争いに絡む機会は激減。悲願のメジャー制覇に届かない段階での引退表明となった。一昨年には「あと、どれくらいプレーできるのかな。ある日突然『ああ、もういいや』って思うかもしれない」と話していた。「結婚もしたいし、子どもも欲しい」と願望を口にしたことがあるように、世界一を目指す戦いに区切りをつけ、今後は1人の女性としての幸せを求めていくことにもなりそうだ。

 今季は6年ぶりに地元沖縄の日本ツアー開幕戦に出場するなど、例年と違う動きを見せていた。5月のワールド・サロンパス・カップ、12年ぶりだった前週「中京-」、出場を予定する6月8日開幕のサントリー・レディース(兵庫)とホステス大会に続けて参戦。拠点を米国に移した06年以降、これほど米ツアーを離れるのは初めてで、支援を続けてくれたスポンサーへのお礼とみる向きもある。

 関係者によると「サントリー-」が日本での最後の試合になる可能性もあるという。米国に戻るのは同じく6月のアーカンソー選手権が濃厚。10代から日本女子ゴルフ界の看板を務め続けた「藍ちゃん」が、大きな決断を下した。

 ◆宮里藍(みやざと・あい)1985年(昭60)6月19日、沖縄県生まれ。東北高3年の03年にアマチュアとして30年ぶりにプロツアー優勝し、その後プロ転向。日米通算24勝。家族は両親と、ともにプロゴルファーの兄聖志(40)と優作(36)。155センチ、52キロ。