チャン・キム(27=米国)が1イーグル、4バーディー、1ボギーの67で回り、通算11アンダーの205で単独首位に立ち、ツアー初優勝に王手をかけた。

 今季ドライビングディスタンス325・19ヤードは、2位トッド・シノット(オーストラリア)の308・33ヤードを大きく引き離してトップ。「今週も絶対にアドバンテージがある」と言い切る圧倒的飛距離でリンクスを攻略。最終18番は残り280ヤードから4番アイアンで2オンに成功し、5メートルを流し込むイーグルで締めくくった。

 過去にはフランスで開催された欧州ツアーで475ヤードを1オンした経験もある。「フォローの風でフェアウエーも硬かったし、打ち下ろしだったから」と言うが、その飛距離が別格であることに疑いの余地はない。188センチ、105キロという堂々たる体格。日本のホテルではベッドから足がはみ出してしまうことも珍しくなく、イスを持ってきて足を置くスペースを確保することも。「今週はギリギリ大丈夫です」と笑わせる。

 まさに規格外の飛ばし屋。カナダツアー、アジアツアー、日本ツアーそれぞれの予選会をトップ通過したことはあるが、なぜかキャリアで優勝に縁がない。「Qスクール(予選会)で上に行くことは得意なんだけど…」。22日には初のメジャーとなる全米オープン行きを決めたばかり。「明日、全英の出場権を取ることができれば最高の週になる。優勝もかかっているし、今夜は寝られないかも…」。人懐っこい笑顔を浮かべながら、気持ちを高ぶらせていた。