宮里優作(36=フリー)が4バーディー、3ボギーの71で回り、通算3アンダーの213で10位に浮上した。前日26日に妹藍(31)が今季限りでの現役引退を表明。1月に本人から意向を知らされて臨んだシーズンは、すでに2勝をマーク。長年、日本女子ゴルフ界の第一人者として活躍してきた妹のように、選手会長を務める兄が男子ツアーをけん引していく。チャン・キム(27=米国)が通算11アンダーで単独首位に立った。

 宮里優はスタート前に引退を表明した妹について語った。藍から受けた影響を問われ「たくさんありすぎて、まとめるのが難しい。僕はホントに宮里藍のファンなので、引退してもファンであることは変わらない」。さらに藍という存在を「宮里家のシンボル」と表現。尊敬の念がにじんだ。

 「今年で引退する」「そっか。残りの試合、どんな試合でもいいから勝って終わりたいね」。今年初めにそんなやりとりをした。藍の表情は「解放されたような感じ。すごく明るかった」。惜しむ気持ちはあったが「家族として後押ししたい」思いが上回った。

 「僕の中で刺激というか、いつもと違う感じはあったかも」。4月中日クラウンズから2試合連続優勝。特に2戦目の日本プロは藍の目の前で勝った。「お兄ちゃんのいいところはあんまり見たことがないと思うので、たくさん見せられたらと思っていた」。妹のことに思いをはせたのは、この日も同じ。強風の中でのプレー中「スピンが少ない藍ちゃんは風の中でも楽だろうな、とか何度か思い浮かべました」と振り返る。連続バーディーで締め、トップ10に食い込んできた。

 妹の今後について「ゴルフ界に携わってほしい」と期待を込め、自身の未来を思い描く。「僕たちもそういう存在に、これからなれるように。個人的には80までゴルフをできるように。最後に立ってるヤツが勝ちですから」と笑う。賞金ランクトップに立ち、7月の全英オープン出場権はほぼ手中だが、今大会上位4人までの全英切符はやはりモチベーション。宮里家は、これからもゴルフ界に明るいニュースを届け続ける。【亀山泰宏】