世界ランク2位の松山英樹(25=LEXUS)が決勝ラウンド(R)でも安定感をみせた。首位と6打差の10位から出て4番でボギー先行も、5番から3連続バーディーを奪って勢いづいた。後半は14番でバーディーをマークし、この時点で通算3アンダーとし、上位をうかがった。第2Rは全英らしい強烈な雨と風にショットを狂わされながらも4バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの72で回り、通算イーブンパーの140としていた。

 穏やかな天気で伸ばし合いとなる中、松山は徐々に調子を上げた。4番パー3は1打目のミスショットでボギーが先行したが、5番で1オンに成功して難なくバーディー。予選R終了後に「しっかりと4アンダー、5アンダーくらいを目指していきたい」と話していた通り、6、7番もバーディーと挽回した。通算2アンダーで迎えた後半は10番で5メートルのバーディーパットが惜しくも外れて天を仰いだが、その後も冷静にバーディーチャンスを待った。

 第2Rは最大瞬間風速15メートルという強風、時折強くなる雨に悩まされた。アンダーパーを記録したのは8人。平均スコアは74・026というタフな1日だった。第2打をブッシュの根元に打ち込んだ17番で5オン2パットのダブルボギーをたたいたものの、松山は通算イーブンと優勝圏内に残った。「しんどかったです。みんなもしんどかったんじゃないですかね」。ホッとしたような表情だった。

 首の後ろにテーピングのような処置を施してのプレーだった。開幕前の練習ラウンドでも、1日だけショットの合間に何度か飯田光輝トレーナーにケアしてもらっていた箇所だが、本人は「万全ですけど…」と問題ないことを強調。2月のフェニックス・オープンでも首に違和感を抱えながら大会連覇を達成している。

 好材料もある。グリーン上が好調で、予選R2日間は3パットがなかった。第3Rも中盤までパットは好調。グレースがメジャー最少記録の62で回るなど、多くの選手がバーディーを重ねる中、松山も上位をうかがった。【亀山泰宏】