不調のどん底だった5月のリゾートトラスト・レディースでは連日、宿舎への帰路で号泣していた。コンビを組む清水キャディーは「もう日本に戻ってこないかも」と心配するほどの落ち込みようだったと明かす。また日本ツアー連戦のため、懸案だった奥歯の治療が7月上旬まで遅れ、6月まで食いしばる力も不安定だった。イ・ボミは「清水さんに『落ちていても、はい上がった時にもっと強くなる』と言われ、頑張ろうと。メンタルが成長しました」と胸を張った。

 賞金ランキングも21位から16位に浮上し「日本女子プロ選手権と日本女子オープンは本当に優勝を目指したい」と宣言した。優勝賞金が高額な国内メジャーで連勝すれば、すぐに5位以内に入る。「一生懸命、準備します」と3年連続の賞金女王をあきらめていない。28歳ラストデーの大会連覇からイ・ボミの反撃が始まる。【藤中栄二】

 ◆イ・ボミの日本ツアーの優勝間隔 3勝目を挙げた12年11月のツアー選手権リコー杯から、4勝目の13年9月の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯までの294日が最長。昨年11月の伊藤園レディース優勝から、今回のCATレディースまでは280日で2番目に長い。最短は7日で、15年にニトリ・レディース~ゴルフ5レディース、伊藤園レディース~大王製紙エリエール・レディースと、2週連続優勝を2度成し遂げている。