1打差3位でスタートした片岡大育(28=Kochi黒潮CC)が4バーディー、3ボギーの70で回って通算12アンダー、272で逆転優勝した。ツアー3季連続の通算3勝目。首位から出た高山忠洋とプーム・サクサンシン(タイ)はともに73で通算10アンダーの2位。9アンダーの4位は今平周吾と宋永漢、金庚泰(ともに韓国)が入った。

 28歳の片岡が終盤に加速した。上位が伸び悩む中、14番のバーディーで首位に迫ると16番で3メートル、17番ではピンそば50センチにつけて連続バーディー。一気に抜け出して18番をパーで締め、両腕を突き上げた。「まさか勝てるとは思っていなかった」と、喜びに驚きが入り交じった。

 地の利があった。コースはプロとなってから毎年のように合宿に利用し、熟知していた。それが生きたのは498ヤードと長く今大会最難関となったパー4の15番。2オンしたものの、カップまで30ヤードを残すとウエッジを手にし、チップショットで2メートルに寄せてパーで収めた。「パターでは傾斜がきついので寄せるのは不可能だった」という。

 日本でシードを持たなかった11年からアジア・ツアーに参戦して腕を磨き、今でも登録料を払い続けているという。今大会は同ツアーとの共同主管のため、来年からのシードが手に入った。欧州ツアーを兼ねた大会もあるアジアの舞台。「将来は欧州にもチャレンジしたい。来年以降は忙しくなっちゃうな」。展望の広がる3勝目となった。