3年ぶり2度目の「日本一」に輝いた池田勇太(31=フリー)が、プロとしての苦悩を明かした。2位に5打差をつけて最終日を迎えたが、前日の第3ラウンドでは終盤3ホールで2ボギーをたたき、決していい状態ではなかった。最終的にはアマチュアの金谷拓実(19=東北福祉大1年)と1打差の大熱戦。最終18番までもつれた死闘を、振り返った。

<以下一問一答>

 -こみ上げるものは

 池田 ありましたね。昨日の時点で、みんなが「優勝おめでとう」って(メールを)送ってくるからさ。俺は何て返したらいいの? プレッシャーというか、考えさせられるものはありましたね。昨日の上がりの2ボギーが本当に悔しくて。その夢を2回見た。それくらい悔しくて、自分に納得がいかなかった。

 -3番でティーショットをOBにした

 池田 3番のOBからのダボは予定になかった。何でそうなったか考えないといけない。相当な気合があったんだろうね。自分がどう打っているのか、分からない。変な打ち方をしているわけはないのにね。

 -アマチュアの金谷の粘りはすごかった

 池田 俺にはプロのプライドがあるからね。11番で(金谷が)アイアンで刻んだ。それは考えがアマチュアだよね。俺らは商売をさせてもらっているから。プロとして(11番は)そういうセッティングになっている。俺は(ドライバーで)十分に(グリーンまで)届く距離だと思っていた。金払って見に来ているギャラリーに「これが男子プロだ!」というのを、見せないといけないんだ。(18番も)1、2打リードだったら刻んでもいいという考え方もあるかも知れないけれど、最終組で回っているのに、刻んで、ただのパーで終わる。そんなのを見に来るギャラリーはいない。

 -そんな気持ちで18番はドライバーを選択したのか

 池田 俺の中ではドライバーしかなかった。今までのこと(OB)を帳消しにして、絶対にフェアウエーに入れる。彼(金谷)はスプーンで打ったでしょ。どういう思いかは知らないけどね。

 -ここまで苦しむとは考えていたか

 池田 もういいよ。勝ったんだから。これが、まだ途中(のラウンド)だったら、機嫌が悪くて大変だ。もう、今日のミスは夢には見ねぇよ。夢を見ないくらい今夜は(酒を)飲むから。

 -4日間を振り返って

 池田 アマチュアには負けちゃいけない。時代はいつか、変わるかも知れないけどね。それが俺のプライドだ。どんな勝ち方であれ、勝った、負けたが重要だ。負けるわけがない試合だったんだから。ださいゴルフをしてしまった。