19歳の金谷拓実(東北福祉大)が、あと1歩で90年ぶりのアマチュア優勝を逃した。愚直な大学生は雨の中、丁寧に刻むゴルフを披露し、前半だけで3バーディーを奪って猛追。後半の15番で3度目の1打差に迫り、続く16番で池田がボギー。1メートル弱のパーパットを決めれば、首位に並ぶはずだった。だがこれを外すと、17番でも2・5メートルのバーディーパットがわずかにそれ、ついに「1打差の壁」を越えられなかった。

 「悔いが残ります。差が縮まって優勝を意識してしまった。これから16、17番のパットのことを考えながら練習をします」

 試合中は会話がなかったが、表彰式前に池田に声をかけられた。11、18番のティーショットでドライバーを握らずアイアンで刻んだことを“説教”された。今後は「大学4年間はアマで鍛えたい」とプロ転向はしない意向。27年の赤星六郎以来90年ぶりのアマ優勝も、89年ぶりとなる最年少優勝記録更新も逃したが、記憶に残る激闘だった。