男子ゴルフの三井住友VISA太平洋マスターズが、9日から静岡の太平洋C御殿場Cで開催される。昨年大会、3年ぶりの出場で2位に7打差をつける完全優勝と圧倒的な強さを見せたディフェンディングチャンピオンの松山英樹(25)は不在。ツアー屈指の高額優勝賞金4000万円がかかる大会だけに、残り4試合と佳境を迎える賞金王争いの行方を左右する一戦となりそうだ。

 前週平和PGM選手権ではチャン・キム(27=米国)が今季3勝目を挙げて賞金ランクトップに浮上。ツアーNO・1の飛ばし屋を日本の実力者3人が追う。約1400万円差で2位につけるのが池田勇太(31=フリー)。04~06年の片山晋呉以来となる2年連続賞金王へ、国内ツアーに専念した8月下旬以降で3勝と好位置につける。「平和-」ではC・キムに1打及ばず2位だった。最終18番で短いバーディーパットを外し「あんなパットを打っているようでは話にならない」。募らせた悔しさを今大会にぶつける。

 今季3勝で賞金ランク3位の宮里優作(37=フリー)はツアー史上初となる現職選手会長での賞金王という快挙がかかっている。01年にはアマチュアながら2位に入り、昨年も5位と相性の良さが光る。同ランク4位の小平智(28=Admiral)も昨年大会は3位に入った。3月に08年賞金女王の古閑美保と結婚。小平が初の戴冠となれば、史上初の「夫婦賞金王」が誕生する。

 1位C・キムと4位小平の差は約1600万円という混戦模様。さらにこの大会2度の優勝を誇る石川遼(26=CASIO)も2年ぶりに参戦する。米ツアー出場権を喪失し、国内復帰後も4試合連続予選落ちを喫するなど苦しんでいるが、好相性の舞台で浮上のきっかけをつかみたいところ。秋の富士山を望む風光明媚(めいび)なコースで、熱い戦いが繰り広げられる。