今季国内ツアー唯一の出場となる世界ランク4位の松山英樹(25=LEXUS)が1イーグル、3バーディー、1ボギーの67で回り、4アンダーで首位と2打差の4位につけた。4年ぶりに同組でプレーした尾崎将司(70)から刺激も受けながらの好発進。大会連覇を狙う全米オープン覇者ブルックス・ケプカ(27=米国)と李尚熹(25=韓国)が6アンダーで首位に並んだ。

 

 松山は尾崎将について聞かれると、目を輝かせながら言った。「サンド(ウエッジ)でスピンをかけるアプローチとか、自分では打てないようなものもあった。最後のパットもそうですけど、ここを入れたらかっこいいなというところでしっかり決めるのは、やっぱりかっこいい」。最終9番、7メートルを沈めるバーディー締めに心を動かされた。

 尊敬の念は強い。2月のフェニックス・オープンの時のこと。尾崎将が進退をかけると宣言して今季に挑むというニュースを聞き「(引退なら)寂しいですね」とつぶやいた。さらに、本気とも冗談ともつかない口調で続けた。「レッスンして下さいって頭下げにいきましょうか。ジャンボさん、お願いしますって。いろいろ聞きたい」。日米で着々と勝利を重ねる松山にとっても通算113勝という数字は重い。ウッズ(米国)の米通算79勝を引き合いに出し「100勝は無理でしょう。(自分ならウッズの記録まで)年間10勝をあと7年続けないといけない。年間10勝を7年やったら、もうゴルフやってないよ」と敬意を表していた。

 折り返しの18番で納得のティーショットから7メートルを流し込んで鮮やかなイーグルを奪うさまは、尾崎将の「かっこよさ」に通ずる。その大先輩からも「松山は世界のプレーヤーだから。ちょっと内容が違うわ」と称賛された。2年ぶりの参戦でギャラリーは昨年大会の第1日より2126人増えた。「ドライバーに関してはいい形。ドライバーは今のまま、他のものをしっかり状態を上げられたら、おもしろいかなと」。ケプカとともに、日本で世界レベルの優勝争いを見せつける。【亀山泰宏】