今季国内ツアー唯一の出場となる世界ランク4位の松山英樹(25=LEXUS)が6バーディー、2ボギーと連日の67で回り、通算8アンダーの134で首位ブルックス・ケプカ(27=米国)と1打差の2位につけて決勝ラウンドに進んだ。今日18日の最終組では6月の全米オープンで優勝を争ったケプカとの“再戦”に臨む。82位で予選落ちとなった尾崎将司(70)は来季現役続行を明言した。

 貫禄の優勝争いに映るが、松山の自己評価は例によって辛辣(しんらつ)だ。「スコア的には満足してますけど、内容的には全然。ちょっとどころじゃなく悪い」。評価できるプレーを問われると沈黙の後、力強いスイングでフェアウエーを捉えた「16番のドライバー」、約8メートルを流し込んだ「17番のバーディーパット」の2つをしぼり出した。

 スイング改造に取り組む中で確かな兆しはある。「スイングが少しずつ、今日は(全体的には)良くなかったですけど、手を離してでも(フェアウエーの)幅に収まるようになってきた」。時を同じくして、9月にエースドライバーが割れてから2カ月間の相棒捜しもメドがついてきた感がある。音が気に入らないドライバーは使わない。構えた時に見えるヘッド全体の印象“顔”にもこだわる。割れたものと同じモデルでも重心位置などミリ単位の個体差がある中で微調整を重ね、テストした数は20種類を下らないという。

 バーディーの4番では326ヤードをかっ飛ばすなど2日間のドライビングディスタンスNO・1。その飛距離に同組の尾崎将が闘志をかき立てられていたことを聞くと「刺激を与えているようじゃダメですよね。引退を(決めるくらいの衝撃を与えないと)、ね(笑い)。それくらいのプレーを見せられれば良かったんですけど」と冗談めかした。

 ケプカや昨季米新人王のシャウフェレ(米国)が上位にいるリーダーボードを見渡して言う。「稲森君と武藤さんが近いところにいますけど、それ以外は外国人。負けないように頑張らないといけない」。日本の意地を背負って戦う覚悟だ。【亀山泰宏】