今季国内ツアー唯一の出場となる世界ランク4位の松山英樹(25=LEXUS)は2バーディー、2ボギーの71と伸ばせず、通算8アンダーの205で首位ブルックス・ケプカ(27=米国)と8打差の6位に後退した。代名詞のアイアンショットをピンに絡められず、最終組で一緒に回ったケプカに大きくリードを許した。日米含めて年内最後のツアー競技となる最終日。18年につながる一打を求めていく。

 松山は13年日本プロで9打差をまくられたことがある。この大会でも84年にS・シンプソン(米国)が7打差を逆転して勝った。ただ、今回は全米オープンをはじめ、何度も米ツアーで優勝を争ってきたケプカ。「あのゴルフを見れば、あまり落ちることは想像できない。20(アンダー)は確実にいくと思う。それに近づくためには50台と思うんですけど、無理ですよね」と苦笑するしかなかった。

 序盤にぶれたティーショットは徐々に修正。何度もグリーン上で天を仰いだが、それ以上にピンに絡められなかったアイアンショットを問題視する。「ベタピンというのがほとんどないし、アイアンとのつながりが全然ない。惜しいパットを続けたとしても、10メートル近いパットはポンポン入るような距離ではない」。朝方にスタートが1時間遅れるほどの雨が降り、グリーンは一気に軟らかくなった。巧みなスピンコントロールにも珍しく狂いが生じた。

 「(ギャラリーに)つまらないゴルフを見せてしまって申し訳ない」と言ったが、コース内外で世界トップ選手としての振る舞いを心掛けている。前日夜は招待選手として出場するブライアン(米国)と中華料理店で食事。昨季ルーキーながら米ツアーで優勝も飾った27歳は「とてもナイスガイだったよ。今度は米国で(チーム松山がよく利用しているステーキ店の)アウトバックで自分がおごる番だという話がついているんだ」と笑い、気遣いに感謝していた。

 「ベストを尽くして、奇跡的に50台が出ればチャンスがあるなって感じですね。何かきっかけをつかんで来年を迎えられたらいい」。逆転Vが厳しくても、目の前の一打にかける思いは変わらない。【亀山泰宏】