今季日本ツアー唯一の出場となる世界ランク4位の松山英樹(25=LEXUS)は1イーグル、5バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの69で回り、通算10アンダーの274で日本人最上位となる5位だった。

 1番で幸先よくバーディーを奪うと、3番では日米通じて試合では初となるホールインワンを達成。実測175ヤード、8番アイアンで放ったティーショットがグリーンを捉え、手前から約2メートル転がってカップに吸い込まれた。「完璧なショットでした。いいところに落ちたから『入っちゃえ』と思ったら消えた。試合でやるのは初めてだったので、すごくうれしかったですね。ホールインワンした後はフワフワするとみんな言っていて、そのフワフワする感じが分かりましたね」。プライベートを含めても3度目のエースを笑顔で振り返った。

 「4日間でいいプレーはほとんどなかったと思うんで、その中でも3番で大いに沸いてくれたので、ホッとした気持ちはありますね」。7000人以上が集まったギャラリーを沸かせられたことに安堵(あんど)の表情を浮かべるあたり、トップ選手の自覚がにじんだ。スタートから3ホールで3つ伸ばし、猛チャージを予感させたが、その後は停滞。5番からドライバーが乱れ始め、6番は3パットボギー。折り返した後の10番も林へ打ち込んでダブルボギーとするなど苦しみ、優勝したブルックス・ケプカ(27=米国)に10打差をつけられた。

 その今大会の予選ラウンドでは、尾崎将司(70)との4年ぶり同組が話題を呼んだ。これについて「試合でしか分からないこと、感じられない部分があると思うので、興味があって回らせてもらいました」と話し、自ら希望したペアリングであったことを示唆した。実はかねて聞きたいことがあったという。「ジャック・ニクラウスとか(アーノルド)パーマーとかと争っている時の感じと(自分のプレーを)比べてどうなのか」。試合中いうこともあって遠慮したが「メディアの皆さんが聞いてくれることを信じています」といたずらっぽく笑い、報道陣に質問を託した。

 結果は悔しい年内のツアー競技最終戦だったが「試合でやってみないと分からない部分があった。それが今週分かったので、いい1週間だった」と収穫もあった。次戦は昨年優勝したツアー外の慈善大会、ヒーロー・ワールドチャレンジ(30日開幕、バハマ)となる。