時松隆光(24=筑紫ケ丘GC)が4バーディー、ノーボギーの68で回り、片岡大育(29)谷口徹(49)と並んで首位に立った。

 108選手の中でただ1人ボギーなし。ハイライトは後半3番パー4だった。第2打をグリーン右奥のラフに外し、第3打は下り傾斜の難しいアプローチ。「今までの自分ならボギーにしてしまうアングル」だったが、高く浮かせてグリーンエッジギリギリに落とすロブショットで勢いを殺し、見事なチップインバーディーを決めた。

 今週、歴代賞金王に教えを授かっていた。1人は21日に一緒に練習ラウンドを回った池田勇太(31)。「球が強すぎる。球を殺せ」と指導を受けた。さらに前22日は1人で特訓している様子を見た谷口に「随分(ボールが)転がるなあ。何してんねん」といじられつつ教わる機会にも恵まれた。2人が共通して指摘したのはインパクト時の「緩み」。さらに「ロブショットはクラブヘッドをアウトサイドからインサイドに入れていくものだと思っていた」という時松だったが「2人とも、少し下からかち上げるイメージだった」。イメージを変えることで「緩み」も解消した。

 「教えてもらった通りに打てる“バッチコーイ”のライでした。自分の成長を感じた1打でしたね」。いつもは謙虚な男も感謝の念をにじませながら自画自賛した。その話を伝え聞いた谷口は「僕は見てないですけど“結果オーライ”だと思いますよ。そんなに(教わって)すぐできない」と笑わせつつ「先週一緒に回ってうまいというか、パターもショットも安定しているし、見ていると本当の力がついてきたのかなと思いますね」。先輩たちにかわいがられながら、24歳は着実に成長している。