男子ゴルフの世界選手権シリーズ、デル・マッチプレー(21日開幕、米テキサス州オースティンCC)の練習ラウンドが19日(日本時間20日)に同コースで行われた。

 初出場の小平智(28=Admiral)は、18ホールをチェック。昨年大会で谷原秀人が4強入りした舞台でもあり「バーディーを計算できるホールもあるし、そんなに距離はない。ショットがつけば、僕たちにもチャンスはある」と分析した。

 前週アーノルド・パーマー招待(フロリダ州)での“ダメージ”が残っている。通算8オーバーでの予選落ち以上にショックだったのは、ロリー・マキロイ(英国)の優勝スコアが通算18アンダーだったという事実。「自分が想定できない数字。高い壁を感じたし、心が折れそうになった」。昨季は全米オープン、全米プロと出場したメジャー2試合で予選を通過した。全米プロでは第3日にラウンドベストに並ぶ「67」をマーク。少しずつ積み重ねてきた自信を一気に打ち砕かれそうになった。

 「『やっぱりダメなのかな』という風に思ってしまうところもある」と後ろ向きな言葉を口にすること自体、小平にとっては珍しいことだが、必死に食らいつくつもりだ。現在44位の世界ランクで50位以内をキープすることによる初のマスターズ(ジョージア州)、さらにはその先を見ている。マスターズ翌週のRBCヘリテージ(サウスカロライナ州)や5月のプレーヤーズ選手権(フロリダ州)、6月のメモリアル・トーナメント(オハイオ州)など、世界ランク次第で選択肢は増えていく。

 「マスターズは目標ですけど、そこをゴールにはしたくない。50位以内にいることで可能性を広げ(海外を含めた)いろいろな試合に出て自信をつけたい。出なければ、払拭(ふっしょく)できないですから」。再び顔を上げて、まずは今大会で海外の強豪に立ち向かっていく。