世界ランク6位の松山英樹(26=LEXUS)が、昨季日本ツアー賞金王の宮里優作(37)を2アンド1で破り、現行の試合形式となった16年以降では初の白星スタートを切った。

 東北福祉大の先輩との対決は、真剣勝負の中にも独特の雰囲気を醸し出した。朝の練習場であいさつすると、上下を黒でそろえたウエアが「かぶった」と笑い合った。グリーン上がさえた宮里に4番を終えて2ダウンと先行を許したが、ティーショットを1メートルにつけた7番のバーディーで反撃を開始。続く8番も取り、第2打をピンそば30センチにつけた9番は先輩から“OK”が出てリードを奪った。「8番、9番くらいからいいショットが打てた」。9番以降の9ホールで6バーディー。17番パー3は2メートルに絡めてバーディーで勝利を決め「ありがとうございました」と丁寧に握手を交わした。

 「試合で2サムで回ったことはなかったですし、そういう意味ではすごく面白かった。(宮里が)いいパッティングもしていましたし、ずっとドキドキしながら回ってました」と、対戦を楽しみながらボギーなしでまとめた。中盤から切れ味を増したアイアンショットについて「久々に良かったですし、そういう意味では満足度は結構高い」と納得の表情も見せた。

 それでも、ここで緩まないのが松山。手応えについて問われると「続けられれば、という話です。先週(アーノルド・パーマー招待)の3日目みたいに1日だけかもしれないので、つかみつつあるものをしっかりとものにできるようにしたいと思う」と継続を条件に挙げた。「ショットが今日みたいにうまく打てれば、パットはまだまだですけど、チャンスが多くなるんじゃないかなと思います」。決勝ラウンド進出へ、上々の滑り出しとなったことは間違いない。