注目の新人・三浦桃香(19=フリー)が、プロ転向4戦目での最速優勝に王手をかけた。首位タイから出て1イーグル、3バーディー、1ボギーの68で回り、通算10アンダー。単独首位となり、2週連続の最終日最終組が決まった。初優勝すれば日本人では04年宮里藍、07年佐伯三貴と並ぶツアー最速記録。熱狂的な地元宮崎での声援を受け、三浦が新たなスターへの階段を駆け上がる。1打差2位にペ・ヒギョン(韓国)。

 大勢のギャラリーが、三浦にくぎ付けになった。桜咲く快晴のコースを首位から出て7連続パー。スコアを伸ばせずにいると、8番パー5で5メートルを沈めてこの日最初のバーディーを挙げた。勢いに乗った10番パー5では2オン。再び5メートルを沈めてイーグルを奪うと、単独首位に立った。強くてかわいい「強カワ」の新スター候補に、地元観客は魅了された。

 「生まれて初めて8番でガッツポーズをしました。ずっと我慢してのバーディーだったから。一緒に練習している小学生も付いてきてくれて、今日はすごいねと驚いてくれた」

 前夜は眠れなかった。花粉症に悩まされ、午後11時に布団にもぐってからは10回以上も起きた。鼻にティッシュを詰め込むと「口呼吸で寝ました」。万全ではない中で結果を出した。

 「あの場にいることが、迷惑になると思った。恥ずかしかった」。前週のTポイント・レディースは最終日最終組で、初Vを視界に捉えながら77と崩れて22位に終わった。

 再び巡ってきた初優勝のチャンス。勝てば、日本人では宮里藍らに並ぶ4戦目での最速優勝になる。「手が震えるかもしれない。いい結果なら普段以上に自分を褒めたい」。今日にも桜が満開になる宮崎で、昨年引退した宮里藍さんの後継者となる新スターが誕生する。【益子浩一】