米男子ゴルフのRBCヘリテージで日本人5人目の優勝を飾った小平智(28=Admiral)が、新たな目標を掲げた。17日に帰国。羽田空港で行われた優勝報告会見では(1)今季中の米ツアー2勝目(2)20年東京オリンピックでのメダル獲得(3)35歳までにマスターズでの優勝争いを目指すことを宣言した。次週は中日クラウンズ(愛知)に出場し、5月10日開幕の“第5のメジャー”プレーヤーズ選手権(フロリダ州)から再渡米を予定している。

 慣れ親しんだ日本で最初に感じたのは戸惑いだった。小平は出迎えたファンや関係者の祝福、殺到する報道陣を見渡し「テレビで見るような『スーパースターが帰ってきた』みたいな感じになっていて、テンパってます。(会見に集まる記者も)10人くらいだと思っていたので」と苦笑した。

 憧れた舞台で優勝した実感が湧いてきた。「(松山)英樹が先に道を切り開いてくれて、追いかける僕たちはやりやすかった面もある。英樹に感謝したい。勝てて(自分も)スタートラインに立てたことがうれしい」。課題はアプローチやパットなどショートゲームのスキル向上。「もっとうまくならないと、通用しない」と表情を引き締める。

 「欲を言えば(今季中に)もう1勝したい」とし、未来へ思考を巡らせた。「自分が生まれ育った東京で行われる五輪に出たい気持ちは強い。メダルを取りたい」。幼い頃から抱いてきた、マスターズで優勝するという究極の夢にも距離感が伴ってきた。「環境になじんで、経験を踏まえて、35歳までには優勝争いに加わりたい」と設定した。

 日本ツアーの出場は年間で3~5試合をイメージ。必須となる米国での拠点については「年内は無理だと思う、いろいろな人に聞いて(試合をしながら)いろいろ回ってみて、自分に合う場所を探したい」。コースを知る意味でも積極的に試合に出て、慎重に候補を見極めていく。左肩の違和感で今週のパナソニック・オープン(大阪)は欠場。凱旋(がいせん)試合となる中日クラウンズへ「(期待される)この状況を楽しみたい」と力強く言ってのけた。【亀山泰宏】