アイドル系新人の三浦桃香(19=フリー)が珍しい“ホールインワン”でギャラリーを驚かせた。6番パー3の第1打が、ギャラリーのリュックのポケットにすっぽり入ってしまった。ここでボギーをたたいてリズムを崩し、1オーバー72でホールアウトした。勝みなみ(19=明治安田生命)ら3人が6アンダーで首位に立った。

 「ファー!」。ギャラリーへの注意を喚起する声に続いて、「ドスッ」という鈍い音が響いた。6番ホールのパー3。三浦が7番アイアンで打ったボールは、グリーンの左へそれて見物するギャラリーの中へ飛び込んだ。次の瞬間、どよめきと驚きの声が上がった。ボールはギャラリーのリュックの右ポケットにすっぽり収まっていた。

 三浦は慌てたようにギャラリーのもとに駆け寄った。ポケットに入ったボールを確認すると「本当に入ったんですか?」と驚いたような表情で叫んだ。キャディーに促され競技委員を呼んだ。規則では、止まったところの真下に無罰打でドロップ。三浦は第2打を打ったが動揺したのかグリーンに乗らず、結局ボギー。思わぬハプニングで、5番まで2アンダーの勢いが止まった。

 過去には05年のダンロップフェニックスでタイガー・ウッズが、12年のミズノクラシックで表純子が、ギャラリーの上着やズボンのポケットにボールを入れたことがある。リュックの持ち主で愛知・豊田市から来た33歳の会社員男性は「この辺やばいなと、防御の姿勢を取ったら入っていた。(三浦と同じ組の)辻選手もボギーだったのでうれしくないです」と、珍体験にも浮かない顔だった。

 その後スコアを落とし、1オーバー51位タイで終えた三浦は「ビックリした。初めての経験です。(6番は)打つ直前にアイアンを6番から7番に変えたんです。クラブで迷ってしまった。今日はそういう日なんだと思います」とガックリしていた。【桝田朗】